魔女とワイバーン

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「クレスト、クレスト」岩場の隘路を、停滞の魔女ブリジッドは叫んで歩いていた。「怒ったりしないから、いい子だから出ておいで」

「GMUMMMMMMMMMG」地響きのような唸り声とともに一頭のワイバーンが隘路の奥から這い出てきた。まだトサカも小さい子供のワイバーンだった。

「西の空は飛んじゃだめだって言ったじゃない。村じゃ大騒ぎになってるよ。」ブリジッドはすり寄ってきたクレストの顎を優しく掻いてやった。

「GuuuuuuuMuuuG」

「まっ 仕方ないか。ワイバーンは飛ぶのが当たり前だものね。」ブリジッドはため息をついた。

この子ももう1年もすれは、倍の大きさまで育つだろう。声も大きくなる。いずれ下界の者たちの知るところとなっただろう。

「時期が早まっただけか・・・・」ブリジッドはそうつぶやき、クレストに言った。「さあ、クレスト。 急いで引越しするよ。」直に討伐隊がくるだろう。その前にもっともっと奥の、人が恐れる魔の森の向こうの未踏の地に向かうしかあるまい。ブリジッドは決意した。