6人の傭兵

PB260060PB260062   6人の傭兵たちは、目的地に到着した。 指揮を執るのは、G=ハードシェルという男だ。 彼は、配下の5人の兵士を後方に配し、行く手の大河を見やった。 報酬の半分は既に受け取った。 残りは雇い主たる王に復命したのち、受け取る手はずになっている。 有体に云えば、半分だけ受け取り姿をくらませてもよかった。 なぜなら、この戦いで全員が生きて復路を踏めるかは、はなはだ怪しいからだ。 相手は、何しろあのタラスクだ。鉄の鱗、岩のような甲羅、更に虎の跳躍を併せ持つ獅子頭のドラゴン。尾のひとなぎで巨木さえ折ってしまう。 一騎当千といわれ、聖マルタの加護を受けた武器を帯びた我らでも、倒すのは容易ではないだろう。 しかし、誰一人として逃走のことは言わなかった。 常勝の傭兵としてのプライドと、逃げたとしても、タラスクとはいつかは対峙せねばならなかったからだ。 この土地を蹂躙しつくしたタラスクは、いずれ我らの故郷に移動してくるだろう。 彼らは俊敏に動くため、武器の鞘さえ捨て、最小限の装備のみ残した。 ハードシェルは無言のまま、左手をゆっくり上げ、進行を合図した。