パーンの少年・・・ラフィニール=グラスコウ

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鵺が鳴いている。村のはずれの草原をラフィニールは、歩いていた。一人、ハイランドを目指し旅に出るつも りだった。夜明けにはまだ、時間がある。この時間ならだれにも見とがめられないだろう。父は族長の会議に 出かけ、明日の夜まで帰らない。父ダンニールはパーンの英雄だ。彼は一族を率い、何度も押し寄せる粗暴な人馬軍団を追い返した。すべての部族をまとめる総代でもある。そ んな父とは対照的にラフィニールは体が小さく、非力で角もか細い。力が第一の美点とされるこの地にいて は、自分も苦しいが父も困るだろうと思った。会議はきっと反乱軍に加わることに決すると思われる。血の気 の多い村の男たちが騒いでいた。ラフィニールは自身の他にない素早さが活かせる場所を考え、反乱軍の集結 地であるハイランドに単身密かに行くことにしたのだ。森の手前で村のほうを振り返った。情けないぞとこころの叫びをあげた。その時だった。森の中 から声が突然聞こえた。「ラフィ」